支援セラピー! 〜作業療法士のブログ〜

アクセスカウンタ

zoom RSS 少し頼りないくらいが、ちょうどいい。

<<   作成日時 : 2008/05/07 06:55   >>

トラックバック 0 / コメント 0

身体障害者が通う、リハビリ施設でのお話です。

川田さんは、股関節の病気のため、杖をついて歩かなくてはいけません。
股関節の動く範囲が狭いため、
靴下を履くのも一苦労です。
50男の一人暮らしなので、 
お風呂洗いやごみ捨て、洗濯・・・何かと大変です。

仕事を失い、低空飛行を続けてきた川田さん。
仕事を失ってから、3年ほど「くすぶって」いましたが、
リハビリ施設に通ううちに、少しずつ気持ちが持ち上がってきました。

「何かしたい」
「趣味を持ちたい」
「もっと人と交流したい」
「生活を変えたい」
「今の自分を変えたい」

そんな気持ちが高ぶってきたある日、
いつもより少しウキウキしている川田さんと私は、
障害者同士で運営する、陶芸サークルに見学に行きました。
 

そして・・・


陶芸サークルを見学した帰り道、
川田さんがボソッといいました。

「自信ないなぁ・・・俺にはムリだ」

・・・意外な言葉でした。

川田さんは、なぜ自信をなくしてしまったのでしょうか?
それは、見学が始まって最初の3分で決まってしまったようです。

私たちにサークルの案内をしてくれたのは、
ボランティアの紳士でした。
そのジェントルマンは、
定年退職した後、「世の中の役に立ちたい」と思い、
障害者のサークル活動を手伝うようになったと、
熱く語りました。

とても立派な人物という印象でした。
これ以上の案内役はいない・・・はずでした。

「簡単ですよー」といって、
ボランティアさんが見せてくれた、
とてもレベルの高い陶芸作品を見た川田さんの顔は、

凍っていました。

「簡単ですよー」と、安心させるつもりでボランティアさんは言ってくれたのですが、
ボランティアさんがやさしくニコニコすればするほど、
一生懸命に誘えば誘うほど、
逆効果だったようです。

「立派な人物」「立派な作品」と、
3年ほど「くすぶって」いた自信がない自分との、
大きなギャップを、
たった3分の間に、感じてしまったのです。


-----------------------------------
◎ 作業療法士の【支援セラピー】
-----------------------------------

人を、本当に安心させるには、
言葉や笑顔よりも先に、
まずはその人の立場や気持ちを、理解してあげなければいけません。

あんまり立派な人と会うと、
「自分とは違う」「この人は別格」と、思ってしまいます。

少し頼りないくらいの方が安心できるなんてこともあります。
「少し頼りないくらい」で大丈夫。

----------------------------------

川田さんは、相変わらず今日も、
一番ドジで、いやし系の女性スタッフに、
「足のつめを切るのが大変なんだよなぁー」
とかいって、遠まわしにつめきりをお願いしたりしています。
 川田さんらしく、ゆっくりと、前に進んでいます。


メルマガ購読・解除 ID: 1006981
作業セラピー! ★ 「作業」を見つめれば、人生が変わる?
   
バックナンバー powered by まぐまぐトップページへ
人気ブログランキングへ にほんブログ村 病気ブログ リハビリテーションへ 理学療法士・作業療法士のサイト 療法士.com

テーマ

関連テーマ 一覧


月別リンク

トラックバック(0件)

タイトル (本文) ブログ名/日時

トラックバック用URL help


自分のブログにトラックバック記事作成(会員用) help

タイトル
本 文

コメント(0件)

内 容 ニックネーム/日時

コメントする help

ニックネーム
URL(任意)
本 文
少し頼りないくらいが、ちょうどいい。 支援セラピー! 〜作業療法士のブログ〜/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる