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zoom RSS お別れセラピー。 *^^*

<<   作成日時 : 2008/09/27 07:26   >>

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「病気になってから、
 気がついたことがたくさんある」

「障害者にならなかったら、
 こんな生き方はできなかった」

「病気になってよかった」
 


脳卒中で倒れ、車椅子生活になった池中さんの、
リハビリ施設をめでたく卒業するときの、
最後のあいさつでした。

言い過ぎではないだろうか?と思いましたが、
強がりでもなんでもありませんでした。

約2年の付き合いの中で、
日々、おだやかな表情に変わっていく池中さんを見てきたので、
私にはわかりました。



池中さんは、中間管理職として
仕事一筋でした。

病院でのリハビリを終え、退院したのですが、
仕事には復帰できず、
何かを求めて福祉施設に通うことになりました。



まじめで無口な池中さんは、
黙々と体を鍛えました。

しかめっ面で、あまり笑うこともなく、
自分に厳しい人でした。


池中さんにとっては、
体を鍛えることが
「仕事」のようでした。



数ヵ月が過ぎ、
体は少し動きやすくなったのですが、
車椅子生活、閉じこもり生活には変わりがありませんでした。

週2回、施設に通う以外は、
特に何するわけでもなく過ごしていました。


心の深いところでは、
どのように考えているのか、
妻でさえもわかりませんでした。


あるとき、池中さんがボソッとこう言いました。



「ゆっくりと趣味の読書を楽しめるのも、悪くないよ」

「妻と一日中、一緒に過ごすのも悪くないよ(笑)」



このときから、何かが前に進み始めました。

仲間との交流がみられてきました。
笑うようになりました。
車椅子で街に出かけるようになりました。


時間がそうさせたのか?
まわりの仲間の影響か?
奥さんがすばらしい人だったからなのか?

私たちスタッフの力か?

・・・いや、そんなことを考えてはいけない。


とにかく無口で多くを語らない池中さんからは、
はっきりとした理由の言葉はもらえませんでしたが、
そんなことはどうでもよくなっていきました。


〜 〜 〜 〜 〜 〜 〜


池中さんがリハビリ施設を「卒業」し、
何ヵ月か経ったときのことです。


駅前の書店で池中さんを見かけました。

「ビシッと後ろに流した髪」
「つりあがった太いまゆ毛」
「するどい眼光」
そして貫禄のある相変わらずの「お腹ポッコリ」。


せかせかと動く忙しい人の間を、
車椅子でゆっくりと泳ぐ、コイのようでした。


それは駅前の、
人の出入りが激しい書店の風景に
しっかりと溶け込んでいました。


私は声をかけられませんでした。



現実の社会とは対極にある、
施設の職員が声をかけることによって、

この自然な風景が壊れてしまうような気がしたのです。


もしも池中さんが頼りなく見えたら、
つい声をかけてしまったかもしれません。


強くなった池中さんのおかげで、
あえて声をかけないでそっと見守ることができる自分に、
すごくいい気持ちにさせていただきました。


----------------------------------
● 作業療法士【支援セラピー】
----------------------------------

「自分がいなくても、もう大丈夫」
「自分なんてもう、役に立たないんだ」
「自分はもう、必要ではないんだ」

なんて思えたら、
最高。

-----------------------------------

私は、やさしい笑顔を無理やりつくり、
「これでいいのだ!」「オレってかっこいい・・・よね?」
と自分に言い聞かせ、またせかせかと歩く人の流れの中に、
もどっていきました。

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コメント(4件)

内 容 ニックネーム/日時
池中さんは今回の 作業療法士の支援セラピーの様に思ったのでせうか?
役目を与えられた高齢者は生き生きするといいます

おいらの以前の日記の一部をコペピするでがんす
ーーーーーーーーー
周りには極当たり前の生活が営まれている
世間からの 極度の孤独感、疎外感 、おいてけぼり感に襲われた
重度障害、、、ある書類上では「死亡扱い」非生産な自分 
社会的にはお荷物?役立たず?

僕の社会的「存在の価値」は? あるの? いやないだろう
働けぬ 寝たきりの 重度障害者の自分の 社会的存在価値見つけに
思案と落胆の日々が始まってた あの頃、、、2004年

ーーーーーー
存在価値がなくなって嬉しい人は どんな立場の 年齢の人でもいないと おいらは思ってるでがんすよ。。。
たけちゃん
2008/09/27 07:56
追記でがんす

患者さんの社会参加 社会的存在価値を見つけるために懸命だったSTも知ってます
今 懸命にしてるOTも知ってます

そして見つけられた 見つかった患者さんは 以前よりずっと生き生きしてるそうです セラピストです

重度障害者 難病患者は世間と離れて 仙人みたいになんかなりたいわけではないと思うのでがんす。。。
たけちゃん
2008/09/27 08:16
追記の追記

作業療法士の【支援セラピー】
の部分はごとおはんの OTの気持ちだったのでがんすね

おいらの勇み足でした
愛きょうでご勘弁をm(o・ω・o)mゴメンヨ

たけちゃん
2008/09/27 09:14
たけちゃんへ
誤解を招くような表現をしてしまい、大変申し訳ありませんでした。
たけちゃんにコメントしていただいたことで、自分の書く力を客観的に評価できる良い機会になりました。ありがとうございます。

まだまだわからないことだらけです。
日々、「わかろうとしている自分」と向き合い、格闘しながら書いています。
自分の書いたことは、しっかりと伝わらないことの方が多いものだと、覚悟はしています。
これからも、遠慮なく、ご意見をください。
よろしくお願いします。*^^*
ごとお
2008/09/27 18:56

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