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zoom RSS 「同じ目線」になること。

<<   作成日時 : 2008/12/04 05:37   >>

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身体障害者が通う、リハビリ施設でのお話です。

佐川さんは、ある大手企業の部長さんでした。
脳卒中で倒れ、左手足は麻痺し、
車いす生活になりました。

会話のほとんどが「仕事」の話しになってしまう佐川さんは、
施設の中でも「部長さん」でした。

自分のことを、「ミスター合理化と呼ばれていた」
という佐川さんは、厳しい人でした。

我々スタッフは、時には部下のように厳しく対応されました。

こちらの説明が理解できないと、

「わかりにくい」
「説明が悪い」
とはっきりと言う人でした。

しっかりと歩くことができないのも、
「君たちの教え方が悪いんだ」
と言います。

高次脳機能障害という後遺症もあって、
簡単な図形や表の理解もうまくできないのですが、
それも「資料の作り方が間違っている」と言いました。

・・・・・・。


でも、そんな佐川さんに、
ある日突然ほめられたことがありました。


「あんた、車いすに乗ってたよねぇ。
 いいよ。ああいうのいいよ。
 あんたは信用できるよ」


それは、こういうことでした。



施設にはまだ、バリアフリー型の自動販売機がないときでした。

私は何気なく、空いている車いすに乗って、
自動販売機でジュースを買ってみました。
やはり上の方のボタンは押せませんでした。

「やっぱムリだな〜」
「ファンタグレープには届かないな〜」
って、
ブツブツ独り言を言ってしまいました。


この姿を、佐川さんは見ていたようなのです。


何をやっても、何を言っても認めてくれない佐川さんが、
「同じ目線」になってみた私に、何かを感じてくれました。

初対面のときから、私の接し方は何も変わっていません。
同じ目線でいるつもりでした。
ただ、物理的に同じ目線になって考えていた姿を見られただけなのに、
佐川さんとの距離が縮まっていきました。


----------------------------------
● 【支援セラピー】*^^*
----------------------------------

物理的にも「同じ目線」になるということには、
さらに「心」を近づける効果があるんだということを、
あらためて感じました。

「自分も同じことをやってみる」ということは、
頭ではわかっていても、
実際にはなかなかできていない自分がいることに、
気がつきました。

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腰が曲がっているおばあちゃんと話すとき、
同じような格好になっちゃって、前かがみで話す人がいます。
それって、見ている人も、なんか安心です。


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コメント(4件)

内 容 ニックネーム/日時
同じ目線良い事ですね。(o^-')aaa
相手の立場になるには相手の状態を理解することが必要です。
自分も擬似体験してみる。
私も介護講習などで患者役で、目が見えない状態で電車に乗ったり、切符買ったりしましたが・・・
ヘルパーさんが何気無くする行動でとても恐い思いをすることがありました。
車椅子にも乗り外に行きましたが、ほんの少しの段差でズシンとショックが来る。
眼の見えない方のための黄色い凸凹の上なんて地震状態です。
介護に携わる人…やはり相手の目線に立つのが原則ですね。

ただ、十人十色で色々な目線の方がいます。
障害者と扱われるのが嫌な方も…
時には自分と同じ目線で対等に介護するのも必要では…
下記は健常者ですが映画から学んだ目線です。
http://happy.ap.teacup.com/hananosyou/79.html
華之将
URL
2008/12/04 17:51
華之将さんへ
「映画から学んだ目線」についての記事を読ませていただきました。
・・・深いですね。
「目線」という単語だけで、実に深い深いことを考えさせられました。
華之将さん、ありがとうございます。*^^*
ごとお
2008/12/04 22:43
わたしも「同じ目線」には気をつけています。
だから利用者さんがするようにベタに廊下に座ってみたり、彼らの興味がある話を振って、会話を盛り上げたりしています。
そのためには対象者の状態を常に気を配っていたり、疑似体験するなどが大切なんだと思います。

佐川さんとの距離が縮まって良かったですね。
人から信頼を得られたということを実感できる瞬間って少ないので貴重な体験でしたね。
Heart さん
URL
2008/12/07 14:46
Heartさんへ
Heartさんが利用者さんと接している姿が、
想像できました。
まずは、「対象者の状態に気を配る」
ことが大切なんだと、あらためて感じさせていただきました。
いつもありがとうございます。*^^*
ごとお
2008/12/07 22:36

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