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zoom RSS 「私はペテン師なのかもしれません」

<<   作成日時 : 2009/02/27 06:06   >>

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「X JAPANのhideに会いたい」
という難病の少女の夢をかなえたことで注目を浴びた、
非営利のボランティア団体、メイク・ア・ウィッシュ。 

難病の子どもたちの
夢をかなえるお手伝いをする、
メイク・ア・ウィッシュ・オブ・ジャパンの
事務局長の大野さんは、著書の中でこう言いました。


「私はペテン師なのかもしれません」


「どんなに感情移入をしているつもりでも、
どんなに涙を流し、悲しくても、
どこかで自分の子どもを失ったわけではないという
冷たい感情があるのかもしれません」




先日、こんなことがありました。
就職を目指す知的障がい者が通う施設でのことです。

30代前半の男性、前田さんは、会社を転々とし、
すでに7〜8社で働いた経験があります。

どこも長続きしません。

時には、「怒鳴られた」「けられた」と言うのです。

前田さんは、30歳で、知的障がい者としての、
認定を受けました。

散々会社でひどい目に会い、
障がい者の専門機関に相談にいって、
やっと自分が障がい者だと気がつきました。
実は、お母さんが、認めたくなくて、
認定を拒んでいたのです。


前田さんは、落ち着きがありません。
いろんなことが気になって、よくしゃべります。

とにかくあれこれ気になって、
次々に質問します。

一日中しゃべっていられます。

同じ施設の仲間からも、
「ちょっと静かにしてて!」
「うるさいよ!」
「今それを話すときじゃないでしょ!」

なんてつっこまれます。

本人は、そんな自分の特徴をよく知っていて、
「しゃべりすぎて失敗するんですよ」
と言えるのですが、
その説明がすでにながーくなってしまっています。

どこかヘラヘラっとして、緊張感がないように見えます。


でも、心の深いところでは、深刻なんです。

ある日、こういうことを聞かれました。

「私の気持ちがわかりますか?」
「職員さんにはわからないでしょうね」
「障がい者って呼ばれる気持ち、わかりますか?」



私は、メイク・ア・ウィッシュの大野さんの言葉を思い出しながら、
こう言いました。

「前田さんの気持ちは・・・
私にはわかっていないと思います。

でも、わかろうとしています。
わかりたいと思っています・・・」

これが精一杯でした。


「私はペテン師だ」と言った大野さんの、
それに続く言葉が、とても心にひっかかっています。


「『すべての人に、すべてのこと」はできない。
けれど、『誰かにほんの少しずつ』を
積み重ねていくことはできる。
それが私に唯一できる精一杯だと思うのです」



----------------------------------
●【支援セラピー】*^^*
----------------------------------

「誰かにほんの少しずつ」を、
積み重ねていくしかない。

無理せず、自分にできる「精一杯」を、
積み重ねていくことしかない。

----------------------------------

■出典 → メイク・ア・ウィッシュの大野さん  大野寿子(著)
■関連記事 → 最初の一歩セラピー。
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コメント(4件)

内 容 ニックネーム/日時
確認行動の多い利用者さんに対して、
安心させてあげたいという想いから
小さな嘘をつくことがあります。
その場は繕えても、数時間後にまた同じ質問が来ます。
本人もその事が判っているのだと思いますが、
僅かな希望を求めて職員の前に来るのを止める事はできません。
だから自分の仕事の手を止めて、確認に付き合う毎日です。
Heart さん
URL
2009/02/28 12:47
Heartさんへ
「ほんの少しずつ」を積み重ねている、
Heartさんの姿が目に浮かびます。
コメントありがとうございます。
ごとお
2009/02/28 18:26
「患者さんの気持ちになる」ということは、私も難しいことだと感じています。

当事者の感情は、私たちの想像をはるかに超えたものなのだと思います。

軽はずみに「気持ちはわかります」とは言えないですね。

>「わかろうとしています。わかりたいと思っています」

という気持ちがとても大切なのだと感じました。
認知運動療法士 白いなまけもの
URL
2009/03/01 14:08
白いなまけものさんへ
「患者さんの気持ちになる」というような言葉は、
よく聞くし、とても大切なことですが、
あらためて難しいことだと感じました。
コメントありがとうございます。
ごとお
2009/03/01 22:58

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