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zoom RSS 36個目の不安。

<<   作成日時 : 2009/09/13 07:05   >>

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知的障害者が通う福祉施設でのお話です。

無口な青年、松木さんは、
質問されると、目が泳いでいるだけで、
何も答えられないことがよくあります。

特に初対面の人や怖そうな人に対しては、
貝になって、
黙りこくってしまいます。

モジモジしているくらいなら、まだマシです。
逃げるようにして
その場からいなくなってしまうこともあります。

そんなシャイボーイ松木さん。
就職が決まったときのことです。

案の定、面接ではほとんどしゃべることができませんでした。

でも、
真面目そうなところや、清潔感があり、さわやかなところが、
気に入ってもらえたようです。


めでたく就職。

実にめでたい。


一般企業で働くなんて、無理ではないかと思っていた家族も、
我々スタッフも、実にめでたい気分になっていました。


しかし!


なぜか松木さん本人だけが、
パッとしない顔をしているのでした。

なぜ?

どうして?

就職したいって、言ってたよねぇ?


質問しても、
「言葉」が返ってきませんでした。


そして次の日、
松木さんは、自分の気持ちをノートに書いてきました。

「通勤が不安」
「お昼ごはんを食べる場所が不安」
「仲良くできるか不安」
「やさしい人がいるか不安」
「日曜日はお休みなのか不安」

など、大きな字で、ノートいっぱいに不安な気持ちを書いてきました。

松木さんにとっては、しゃべることよりも書いてもらったほうが
言葉になるということは、我々も知っていましたが、
ここまで多くの言葉を書いてくれるとは、誰も思っていませんでした。

びっくりしました。
それくらい不安だったのでしょう。

全部で36個の不安を書いてきてくれました。

そして、最後の一つに、
36個目に、
松木さんの本当に伝えたい言葉がありました。

それはこの言葉でした。


「なんとなく不安」


35個の不安を書き出すことで、
36個目に、ようやく本当に書きたい言葉に
たどりついたのです。

松木さんは、とにかく「なんとなく不安」で、
就職が決まっても素直によろこべなかったのです。



精神科医で作家の米山公啓さんが、
こんなことを言っています。

「書くことで、言葉はどんどん生み出される。
まず書き始める」

松木さんって、ホントにその通りだったんです。


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●【支援セラピー】*^^*
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「聞くこと」「聴くこと」が大切。

でもそれだけじゃなくて、
書いてもらうことも大切。

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【出典】 「脳が若返るメモする習慣」 米山公啓(著)
【メルマガ!】 「作業セラピー!」 


ちなみに松木さん。
就職が内定したこの企業に、事前に実習させていただいたんですが、
一日持たずにリタイヤしてしまいました。
残念ですが、働いたことがなかった松木さんにとっては、
とてもいい経験になりました。ナイストライでした。
シャイボーイ松木、引き続き就職活動中です。

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