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zoom RSS 患者さんからタバコを1本もらっていたセンパイから学んだこと。

<<   作成日時 : 2010/08/23 05:47   >>

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心の病気の方が入院している精神科病棟での、
作業療法の場面でのことです。


作業療法士の私は、
センパイと一緒に、
園芸グループを担当していました。


ある冬の寒い日、病院の庭で、
15人くらいの患者さんと園芸作業をしていました。


休憩時間。
何人かの患者さんと一緒にタバコを吸っていたセンパイが、
とんでもないことをしました。


おーい、センパイ!
そんなことしていいんですか?


と私は心の中で叫びました。


なんとセンパイは、
となりにいたツルちゃんと呼ばれている60代の女性患者さんに、
「1本」とさりげなく言って、
タバコをもらっていたのです。


おーいセンパイ!
後輩に見られてますよ!
やばいっすよ。


職員が患者さんからタバコを1本もらうなんて・・・。


しかも、

いつもやっているかのように、
「一本いい?」
みたいな軽いアクション1つで・・・。


タバコをスッとあげちゃうツルさんもツルさんだ。

ドラマでよくみる麻薬の受け渡しの現場のようだった。

ふたりは何事もなかったように涼しい顔をして、
「ブツ」のやりとりをしていた。


いけない。


病院で働く人が、
麻薬の密売人のような行為を・・・。


いけない。

こんなことがあってはいけない。



作業終了後、就職して数ヵ月の新人だった私は、
勇気を出して、正義感満々で、
センパイにこう言いました。


「あのぅ・・・。
あれぇ・・・。
あの、タバコをもらっていたみたいですけどぉ・・・。
あのー・・・」


するとセンパイは、カッコつけてこう答えました。


「『貸し』を作っとくためだよ」



貸し?


どうやらお互いにタバコがなくなったときに
貸し借りをしているようでした。

しかも、センパイはわざとタバコを持っていくのを忘れて、
あえて貸し借りの関係をつくっていました。


「『貸し』を作っとくためだよ」
と言ったセンパイの言葉は、

「青年よ、入院患者と職員という関係にとらわれるな!」
という意味だと受け取りました。

「青年よ、型にはまるな!」
というメッセージだと受け取りました。



ツルさんは、
病棟では「ぬし」と呼ばれる問題患者さんで、
トラブルメーカーでした。

基本的に職員の言うことは聞きません。
婦長とはよくケンカをしていました。
機嫌が悪くなると一言もしゃべらなくなります。

でも、タバコ仲間のセンパイが言うことは何でも聞くのです。


タバコの貸し借りがいいこととは思えませんが、
そのようなやりとりから関係を築いていくことも
悪くないなと思いました。

このことがわかってから、
休憩ばっかりしているセンパイのことを、
タバコばっかり吸っているセンパイのことを、
少し尊敬できるようになりました(笑)。


----------------------------------
●【支援セラピー】*^^*
----------------------------------

型にはまった関係を、
見直してみる。

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ただし、タバコの貸し借りをしてもいいというわけではありません。
むしろダメです(笑)。



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コメント(4件)

内 容 ニックネーム/日時
こんばんは。特養OTのうめです。今、入居者さんとの関係で悩んでます…施設は生活をしている場で、作業療法士と入居者さんと言う関係も居れば、孫と親、友達関係…いろんな関係があってもいいのかと思いました
うめ
2010/08/23 20:15
うめさんへ
そうです。いろんな関係があっていいのだと思います。答えはあるようでないのだと思います。私もジャンジャン悩んでいこうと思います。
ごとお
2010/08/23 21:32
お久しぶりです。
私は今スーパーのレジ打ちのバイトをしているのですが、そのスーパーには常連のお年寄りが多くいらっしゃいます。その中の何人かと仲良くなって、今ではレジ打ちの合間にまるで孫と祖母のような会話をすることもしばしば…(笑)

リハビリとはまた違うと思いますが、「頼りがいのある専門家」という立場だけでなく、「親しみやすいお友達」という立場から患者さんと向き合っていく事も悪いことではないんですね^^*
くろ
2010/08/27 13:06
くろさん、お久しぶりです。
スーパーのレジ打ち、楽しそうですね。
いろんな立場、いろんな関係がありますね。

ごとお
2010/08/27 22:07

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