意地っ張りを認める。

脳卒中で左手足をマヒしている娘が、
認知症の母親の介護をしています。

だから・・・・・・。


右手には、高級感のある黒い杖。
マヒした左手には、ブランド品のバッグ。
彼女の意地とプライドが、
マヒした左手にバッグを握らせていました。


真知子さんは、とにかくオシャレな人です。
手が不自由なのに、わざわざ扱いにくい、
ブランド品の大きな財布を持ちます。

当然、レジでの支払いには時間がかかります。
でも、機能性よりもデザイン重視の姿勢は崩しません。

扱いにくい持ち物、動きにくい服装を、
「変えたほうがいいのでは?」
と、いくらアドバイスしても、

「オシャレ優先」は変わりません。
もちろんメイクもバッチリです。

真知子さんは、自分のできないところを認めない人です。
人に弱いところを見られたくない、という気持ちが強い人です。

介護が必要なお年寄りの家族として、
たったひとりの同居家族として、

「私が」

という強い気持ちが、
彼女をオシャレにしています。

リハビリ施設という場に、そぐわない格好をさせています。

真知子さんのすべての言動には、

「母親の世話をしなければいけないのに、
自分が人の世話になんかなっていられないわ」


という、

「覚悟を決めた強さ」があります。

私は、「そんなにがんばらなくてもいいんだよ」という言葉を、
心の中で何度も真知子さんに掛けていました。

だけど、口に出しては言えませんでした。

「守るべき人がいると、人間はこんなにも強くなれるのか」
ということを、真知子さんに教えられました。

ありがとう。

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◎作業療法士の【支援セラピー】
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強く生きている人はたくさんいます。
少しくらい、プライドは高くてもいいんです。
少しくらい、意地っ張りでもいいんです。
 
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