上級の上機嫌。

身体障害者が通う、リハビリ施設でのことです。


「おまようございやす」



「ございやす?」


そう言って、ププッと笑う、ミチコさん。

噴き出す感じなんです。


われわれスタッフが笑えるはずはありません。

言葉が不自由な、ご本人が笑うのです。

静かに。


それがかわいらしい。

目を細め、
口を手で押さえ、
上品に笑うのです。

そんなときは、
まわりの仲間も、
つられてにこやかになるのです。


爆笑ではなく、

さざ波のように、

さあーっと、
にこにこが伝染していくように。

静かに夜が明けていくように、
その場の空気が変わるのです。



明治大学教授の齊藤孝さんは言います。

「自分を笑い飛ばしてしまえるというのは、
上機嫌の技としてはかなり上級、
優れた力です」



ミチコさんは、
娘さんの話によると、
そんなに社交的ではないそうです。

専業主婦で、
家に居るのが大好きなお母さんだそうです。

脳卒中で倒れ、失語症という言葉の障害が残りました。
言いたいことがうまく言えず、
イライラして家族にあたることもあるそうです。

麻痺してほとんど動かない右手を、
自分でたたいて泣いていることもあるそうです。

でも、そんな姿は、われわれの前では見せません。

ミチコさんは、
施設では明るく、上機嫌でいてくれるんです。



ミチコさんのおかげで、
われわれスタッフは、
逆に癒されています。

支援を求めて施設に通ってきているミチコさんに、
われわれスタッフも支えられています。



だから、

われわれも上機嫌でいよう!
上級の上機嫌を目指そう!


ミチコさんのように。

って思う。


----------------------------------
●【支援セラピー】*^^*
----------------------------------

上機嫌でいよう。

----------------------------------

【出典】 「上機嫌の作法」 齊藤孝(著)



この記事へのコメント

この記事へのトラックバック