急にギターを弾き始めたベテラン作業療法士さんから学んだこと。

私がリハビリ専門職・作業療法士になる前の
学生のときのお話です。


精神科の病院での作業療法を
初めて見学させていただいたときです。


入院患者さんの陶芸のグループにおじゃましました。


部屋には、10名くらいの患者さんと、
ベテランの男性作業療法士さん、
そして、おどおどしてキョロキョロしている
学生の私がいました。


みなさん、和気あいあいと作業をしていて、

どこが病気なんだろう?

とそのときは思っていました。


私がやっとその場の空気に慣れ、
緊張がほぐれてきたころ、
なぜか予定の終了時間よりも早めに作業が終わってしまいました。


すると、ベテラン作業療法士さんが、
いつの間にかギターを抱えてそこにいました。


そして大声で懐メロを歌い出しました。




!!!!!



突然でした。

びっくりしました。



すると、まわりの患者さんたちも一緒に大声で歌い出しました。




!!!!!!!!!!




またまたびっくりしました。



なんなんだ? この人たちは!



どうやらみなさんは、
「いつものこと」のようでしたが、
何も聞いていなかった私は、
違和感ありまくりでした。


ついさっきまでゆったりと、
まったりと陶芸をしていたのに・・・。

明るくしゃべっていた人はまだしも、
背中を丸くして黙々と作業をしていた人までが、
背筋を伸ばし、大声で、
聞いたことのない古そうなメロディーの歌を、
ノリノリで歌っていました。


つ、ついていけなかった・・・。



歌詞がわからないからではなく、
そのテンションについていけませんでした。


歌うことができず、
どこを見ていいのかもわからず、


私は完全に孤立しました。






「患者さんにギターを教わったんだよ」



1曲目が終わると、
ベテラン作業療法士さんは、

「どうだ、うまいだろ?」

とばかりに私にこう解説しただけで、
すぐに2曲目の演歌を弾き始めました。



その前奏を聴いただけでみなさんは、

「ああ、それねっ!」

という顔をし、また平然と大合唱を始めました。



ベテラン作業療法士さんの、
2曲目に入る前の、

「何を弾こうかな~」

というワクワクした表情が、

忘れられません。




「リッツ・カールトンで育まれたホスピタリティノート」
という本の中で、こんな言葉に出会いました。

この本の著者、高野登さんを育てた恩師、
ニューヨーク・プラザホテル総支配人のヒューズ氏の言葉です。


「お客様が感じてくださるワクワク感は、
そのホテルのスタッフが醸し出すワクワク感を超えることは、
決してないのだ」



これを読んだとき、真っ先に、
陶芸室でギターを弾くベテラン作業療法士さんの姿を
思い出しました。


そうか、そうだったのか!(笑)



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● 支援セラピー! *^^*
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自分がいちばんワクワクしていたって、

いいじゃない!


ほんとうかな?(笑)

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【出典】 「リッツ・カールトンで育まれたホスピタリティノート」 
     高野登(著)


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