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zoom RSS 「放っておいてくれて、ありがとう」

<<   作成日時 : 2009/01/13 06:23   >>

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身体障がい者のリハビリ施設に通う、
60代の男性のお話です。


7人兄弟の三宅さんは、
ひとりで年老いた両親の世話をしていました。

両親が亡くなった後は、
何年も一軒家にひとりで住んでいました。


ある日、三宅さんは脳卒中で倒れてしまいました。
何かにつかまってなんとか歩くことはできるのですが、
車椅子に頼った生活になりました。


何ヵ月も入院している間に、
お姉さん家族が三宅さんの家に住むことになりました。


退院後、三宅さんは何年もひとりで住んでいた実家で、
姉家族のお世話になることになりました。

5人目の家族として、迎えられたのです。

よかった・・・と誰もが思ったのですが・・・。
 

無口で多くを語らない三宅さん。
リハビリ施設に通い始めた頃のケースワーカーとの面接では、

「自宅では、言いたいことも言えず、がまんしている」

「自由にさせてもらえない」

そう言って、泣き崩れたそうです。
 

三宅さんにとっては、
肩身の狭い暮らしを受け入れるしかありませんでした。


施設での三宅さんは、
こちらで用意したリハビリプログラムには従いませんでした。

歩く練習は
「家でやってるから」
といって拒否しました。

「勝手にやらしてもらっていい?」
といって、
家から持ってきた「切り絵」をよくやっていました。

他の人たちから少し離れたところで、
薄い壁を作っていました。


こちらのイメージするプログラムを
拒否して自由にやっている・・・。
それがいいのか?悪いのか?

スタッフの間では、ややスッキリしない気持ちが蔓延していました。



〜1年後〜〜〜〜〜


三宅さんが施設をめでたく卒業する日、
別れを惜しみ、泣きながら最後にこう言ってくれました。


「自由にさせてくれて、ありがとう」

「放っておいてくれて、ありがとう」


「助かったよ」



今では、新たに通い始めた介護施設で、
みなさんの輪に入り、
のびのびとやっているようです。

ちょっとしたゲームでは、
むきになってハッスルして、
年上の方によく、しかられているらしいです。


----------------------------------
●【支援セラピー】*^^*
----------------------------------

前へ進んでほしいと、
つい手を引っ張ってみたくなるけど、

それを望まない人もいる。
それを望まない時期だってある。

そんなことを感じました。

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理学療法士
病気や怪我などで歩けなくなったり、基本動作ができなくなった患者に対し、マッサージや温熱電気刺激など物理的な治療を用いてリハビリテーションの指導や助言を行うのが理学療法士の仕事。高齢化社会の進行で活躍の場が広がり、医療施設やリハビリテーションセンター、さらには高齢者施設、障害者施設といった福祉施設などから、今後もニーズが高まると予想されている。資格の概要 理学療法士は、一般に考えられている高齢者、交通事故... ...続きを見る
資格の達人 仕事の達人
2009/01/13 16:24
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作業療法とは、手芸や園芸、工芸などの作業を通じて、心身に障害を持つ人の健康回復を図ること。理学療法などと組み合わせて利用されることも多く、医療施設やリハビリテーションセンターから安定したニーズがあるほか、最近は高齢者施設などからも注目が高まっている。有資格者がまだ少数なため、慢性的な人材不足が指摘されており、将来的にも有望な資格といえるだろう。資格の概要作業療法士(さぎょうりょうほうし、英Occupat... ...続きを見る
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コメント(4件)

内 容 ニックネーム/日時
今年も ほっこりする記事をよろしくお願いします。


「放っておいてくれてありがとう…」 含蓄のある 言葉ですね。 とかく、「本人の意思」や「選択」を尊重することを基本にしていながら あれこれ手出し口出し(これを支援、助言という)したくなるものです。 待ちの状態が傍目には「職員の怠慢」のように思われるのではないかと不安になったり。


その人にとって 本当の答えが出るのは ずっとあとからなんですね。


対人援助の醍醐味って案外そんなところにあるのかもしれないと思いました。
北あかり
2009/01/13 10:03
北あかりさんへ
「その人にとって本当の答えが出るのはずっとあとから」
いい言葉ですね。
自分で書いた記事なのに、「なるほど!そういうことか!」なんてうなづいてしまいました。
北あかりさんのおかげで、自分の中で、はっきりと言葉になっていなかったものに気がつくことができました。
ありがとうございます。*^^*
ごとお
2009/01/13 20:46
すごぉい!ごとおさんこそ ヘタレなコメントに「気付き」をされるその感性にアッパレです。こちらも、心してかからねば!(笑)私は、無駄に長い経歴を持つ身ゆえ 学問にコンプレックスを持つ人なのですが、やっぱり「心」と「感性」は必要だと思っています。いわば想像力(創造力)でしょうか? 体温というか肌感を感じ取る力を持ち続けたいと思います。
北あかりどす
2009/01/13 23:16
北あかりさんへ
私は、ほめられて伸びるタイプです。
北あかりさんのおかげで、短時間でずいぶんと成長させていただきました。*^^*
ほめていただき、ありがとうございます。
うれしいです! 
とてもうれしいです!!!
ごとお
2009/01/14 06:18

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