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zoom RSS 東日本大震災により被害を受けられました皆様に、心からお見舞い申し上げます。

<<   作成日時 : 2011/04/10 06:35   >>

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金曜日に東北地方太平洋沖地震があり、
月曜日の朝のことでした。


仕事中、同じ作業療法士の後輩に、
こっそりとつぶやかれました。


「まだ両親と連絡が取れないの・・・」


いつも通りに出勤していた彼女だったので、
気がつかなかったのですが、


そう言えば彼女は、東北地方出身でした。



さすがに直属の上司にだけは伝えたようですが、
その他のスタッフにはまだ何も伝えていないとのことでした。




「まだ両親と連絡が取れないの・・・」と言われた私は、


「えっ!」と小さく驚いた後、


「実家は海に近いの?」

「家は?」

「なくなったの?」

「津波で?」

「行かなくていいの?」


確認の質問をいくつか、
まわりに聞こえない小さな声でそっとしました。

矢継ぎ早に質問したと思います。


その間の彼女は、
うなずくだけでした。

つまり、私がした確認の質問は、
すべてそのとおりだったわけです。


津波で実家は流され、
両親の安否もわからない、
ということでした。



短い報告を終え、
「じゃあ・・・」という表情で仕事に戻ろうとする彼女に私は、
何も言うことができませんでした。


声が出ませんでした。


何もできませんでした。


私は彼女に、自分が知りたい最低限の質問をしただけで、
何もできませんでした。


まわりの人に気をつかわせたくないという彼女の気持ちにこたえ、
小さな声で確認をすることくらいしか、私にはできませんでした。

その後静かに、いつも通りに振舞うことしかできませんでした。




彼女は昼休みに、
携帯電話であちこちに連絡を取っていました。

表情は曇ったままでした。



私が少し外に出かけて戻ってきたら、
もう彼女の姿はありませんでした。


まわりのスタッフには本当の理由は告げず、
早退したようです。




午前中の彼女は、いつも通りに仕事をしていました。

リハビリに通う、身体障害者の方たちに、
いつも通りの晴れた顔で、接していました。

彼女は、両親の安否がわからない中で、
いつも通りの仕事をしました。

「地震が怖かった」
「一人で怖かった」
という、身体が不自由な人たちに、
いつも通りの安心を提供していました。


私は、彼女に何ができたのだろうか?


そしてこれから、何ができるのだろうか?



被災地の人たちに対してできることは、
募金や節電、買い占めを控えることなど。

自分ができる小さなことを重ねていくしかない。

そんなことはわかっていますが、
やっぱり、

何ができるのだろうか?

と考えてしまいます。




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● 支援セラピー!
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これからの自分に、何ができるのか?
これまでの自分に、何ができたのか?

これからもときどき立ち止まって、
考えていきたいです。

今回は地震があったからいろいろと
考えることができましたが、

これからは、何も起こらなくても、
考えていきたいです。

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地震発生から5日目、
彼女の携帯電話に、お父さんから連絡がありました。
家族は無事でした。





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