朝イチ宣言の効果。

身体障がい者が通う、リハビリ施設でのことです。

ひとり暮らしの50代の男性、溝口さんは、
脳卒中の後遺症で、右手足が不自由です。

「右手の訓練にちょうどイイ」
と言って、本格的な切り絵に夢中です。

午前中は全身運動で汗を流し、
午後は私が担当する作業療法の時間に、
切り絵に没頭します。



溝口さんは朝、私の顔を見ると、
あいさつ代わりに今日の予定を宣言します。


「あのフクロウの目のところ、あの難しいところ、
今日、やるからね!」

「今日は背景の簡単なところやるからね!」

「今日こそ、完成させちゃうからねっ!」


「ねっ!」





溝口さんは、何か助けが必要なときは、
遠慮なく言ってくれる人です。
ほぼ、自主的にやっている切り絵を、
こちらは見守っているのが基本です。

だから朝イチでわざわざ宣言してもらわなくても
こちらはかまわないのですが、毎回宣言してくれます。



ある日ふと気がつきました。


溝口さんの他に、もっと寄り添ったり、
声をかけたりしなくてはいけない状態の人はたくさんいるのに、
なぜかいつも溝口さんのことばかり
気にしている自分がいました。


まずい!

こりゃまずい!


ひとりだけ特別扱いしてるかもしれない。
みなさんのことを平等に見ていないかもしれない・・・・・・。


これはホントにまずい!!!!



あせりの中、私はこう考えました。

あっ、そうか!

逆に自分が溝口さんみたいになっちゃえばいい。
逆に私が、みなさんにとっての
気なる存在になっちゃえばいい。



次の日の朝から、
こちらの方からみなさん一人ひとりに、
声をかけるようにしました。


「今日は○○をしましょうね」

「今日は○○をするんでしたよね」


「ねっ!」




これで溝口さんが特別な人ではなくなりました。



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●【支援セラピー】*^^*
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早めに、そしてまめに、
声はかけた方がいいみたい。

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ちなみに溝口さん、香水をつけ過ぎるクセがあります。
本人の姿がみえなくても、いつものあの香りがすると、
「あっ、溝口さんだ!」って、気がついちゃいます。
本人がいなくなった後でも、香りだけは残るので、
やっぱり溝口さんの存在が気になってしまっています。
やっぱり特別な人になっちゃってる・・・・・・。
「香り」の効果についても研究が必要かもしれません。(笑)

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